会長あいさつ

 鳥取大会開催にあたり

第43回全国公立小中学校事務研究大会鳥取大会
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
「子どもの豊かな育ちを支援する学校事務」
動きだそう!今ここから

―チェンジ・デザイン・ジム&カリキュラム―
特集テーマ ?教育課程の実施と学校事務


本会は、昭和43年に発足し、翌44年8月に「より良き学校教育はより良き学校事務から」を掲げて、第1回全国公立小中学校事務研究大会を開催しました。爾来、実行委員会と本部役員の熱意と努力と、会員並びに多くの皆様のご支援ご協力により、毎年各地で盛大に大会を開催し、研究成果を積み上げてまいりました。今年度は、7月27日より3日間鳥取県において第43回大会を開催します。

全国研究大会は、全国の事務職員が一堂に会し、全国的に共通する課題を主題として研究に取り組み、お互いに研鑽を深めるとともに資質の向上を図ることを目的としています。本会では、社会や時代の要請に的確に応え、学校事務の全国的な共同研究を効果的に推進するために、5年間を単位とする「研究中期計画」を策定し、その中で大会テーマと各大会の特集テーマを設定しています。

今大会は、第7次研究中期計画の3年次となります。第7次研究中期計画における大会テーマは「子どもの豊かな育ちを支援する学校事務」です。この大会テーマには、日々成長を続ける子どもたちが持つ、自ら伸びようとする気持ち、自ら育ちゆく力を、教育の現場にいる大人として支援し、より豊かな学びの場としての学校づくりを進めていきたいという願いと決意が込められています。今次計画の初年度は、「学校の裁量拡大と学校財務制度」を特集テーマに、学校の自主性・自律性の確立を、学校財務の観点から追究しました。昨年度は、特集テーマ「地域連携の在り方と学校事務組織」のもと、これまでの学校と地域の関わりについて問い直し、新たな地域連携と学校事務組織の在り方について追究しました。今大会の特集テーマは、「教育課程の実施と学校事務」です。教育課程の編成、実施等における事務職員の新たな役割と学校事務の機能を追究します。

さて、本年3月に発生した東日本大震災は未曽有の災害であり、各地に甚大なる被害をもたらしました。お亡くなりになった方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災された多くの方々に、心よりお見舞い申し上げます。また、懸命に児童生徒や被災者への支援や業務にあたられておられる方々に敬意を表します。この大震災により社会は大きな変化を求められ、教育や学校の在り方も見直されると思います。しかし、いつの時代でも、未来を担う子どもたちは私たちの希望であり宝です。同時に、地域なくして子どもは存在しません。そして、子どもたちの笑顔は大人の笑顔、子どもたちの元気は社会の元気のもとです。全国の学校事務職員が、心を一つにし手を取り合いって「子どもたちの明るい笑顔あふれる学校づくり」に取り組んでいきたいと思います。この「思い」をつなぎ、「きずな」を深め、ともに教育復興に取り組みましょう。今こそ、子どもの「生きる力」をはぐくむことを目指し、社会全体で教育の向上・充実に取り組んでいくことが求められています。

今大会の研究討議をとおして、子どもの輝く笑顔と成長のため、教育の質を高める学校事務の在り方や事務職員の担うべき新たな役割を考えましょう。
どうぞ 多くの皆様のご参加をお待ちしております。今年の夏、鳥取でお目にかかりましょう。
 

会長あいさつ

 平成22年度 全事研セミナー開催にあたり

 会員の皆様には、日頃より、本部の活動に対しましてご支持ご協力をいただきありがとうございます。
 本セミナーを開催するにあたりまして、ご後援を賜りました文部科学省より初等中等教育局視学官永井克昇様にご臨席を賜りました。公務御多用の中おいでいただきまして、誠にありがとうございます。また、文部科学省におかれましては平素よりご指導・ご助言を賜っておりますことに、深く感謝申し上げます。
 さて、全事研では、昨年7月徳島県におきまして「地域連携のあり方と学校事務組織」を特集テーマとして、第42回研究大会を開催させていただきました。1900人近くの参加をいただき、多くの研究成果をあげることができました。この研究成果が、全国各地で実を結びますことを期待しています。今年は、7月27日より3日間、鳥取で「教育課程の実施と学校事務」を特集テーマに開催させていただきます。どうぞ多くの皆様がご参加くださいますようよろしくお願いいたします。
 また、11月第1週には、学校財務に対して社会の理解を深めていただくため、「学校財務ウィーク2010」を実施いたしました。今年度も、ポスターを会員の皆様に配布させていただき、学校への掲示をお願いするとともに、11月5日に東京で財務フォーラムを開催しました。また、「子どもの生きる力をはぐくむ学校教育環境を求めて」を合言葉に全国に学校財務の取り組みを呼びかけさせていただきました。13支部から62の実践報告をいただきました。実践報告から、年々その取組みが深まっている様子が伝わってまいります。本年も、11月第1週に「学校財務ウィーク2011」を呼びかけさせていただきます。さらに多くの方々に取り組んでいただきますよう、お願いいたします。
 ところで、中央教育審議会は昨年7月「今後の学級編制及び教職員定数改善について」の提言の中で、その具体的改善方策の一つとして、「事務処理体制の充実」をあげ次のように指摘しています。「学校に対する社会の要求が多様化・複雑化する中、学校の教育力の向上のため自主的・自律的な学校運営を行うことが求められており、地域連携・学校評価・学校裁量予算の管理などの教育指導以外の業務が増加し、重要度も増してきている。このような状況に的確に対応しつつ、教員が子どもと向き合う時間を確保しながら学校業務を適切に遂行するため、事務職員の役割が重要となっており、事務職員の定数を改善する必要がある。」としています。さらに、学級編制・教職員定数の改善とともに取り組むべき重要課題の一つとして「学校マネジメントの改善と教員の事務負担の軽減」をあげ、その中で、「子どもの指導に関する業務はすべて教員が担わなければならないと固定的に考えるのではなく、教務などの子どもへの指導に関する業務であっても、事務職員の方が効果的・効率的に対応できるものについては、事務職員がその専門性を活かして積極的に担うこととし、教員と適切な役割分担を行っていくことも必要である。」としています。
 また、本会の金井前副会長が委員として参加した文部科学省「学校教育の情報化に関する懇談会 教員支援ワーキンググループ」のまとめが今月4日に発表されました。その中で、「学校の校務部門を統括するとともに環境整備の専門家として学校CIOを補佐し、効率的な教育情報化を担う」という事務職員の役割とともに、「事務職員がICTを活用した校務処理が行えるよう、事務職員への研修の実施も必要である。」というように、事務職員研修の必要性も提言されています。
 期待されている役割を果たしていくために必要な能力開発、すなわち、事務職員の体系的な研修カリキュラムの開発が課題となっています。
 本日のセミナーは、文部科学省行政説明を初等中等教育局視学官永井克昇様と大臣官房文教施設企画部 施設企画課防災推進室長笠原隆様のお二人からいただきます。そのあと、国士舘大学体育学部子どもスポーツ教育学科教授北神正行様と国立教育政策研究所 教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官 初等中等教育局教育課程課教科調査官田村学様より講義をいただきます。いずれも、年次別課題である「教育課程の実施と学校事務」に沿った内容となっております。
 本日の研修により、カリキュラムマネジメントの実施を通して、質の高い教育を展開する学校づくりと学校の総合力向上を実現する学校事務、事務職員の役割について、さらに一層理解を深めていただきたいと思っています。
 本日の研修の成果が、各地の研究推進の一助となるとともに、皆様の学校現場での、新しい学校事務の実践として成果をあげられますことを期待いたしまして挨拶といたします。
 

会長あいさつ

2011年 次代を担う子どもたちのために

1 子どもたちの「生きる力」をはぐくむことを目指して
 新学習指導要領の円滑な実施
 社会の要請に応え、量・質両面での充実が図られた新学習指導要領が、小学校ではいよいよ本年4月より、中学校では来春より全面実施されます。この新学習指導要領の円滑な実施に向けて、これまで学校現場では事務職員が中心となり、教材や施設設備の整備等の準備に計画的に取り組んできました。今後も、学校間連携による教材の共有化や貸与、さらなる教材開発等の教育環境整備や地域・関係機関との連絡調整等に尽力してまいります。

2 質の高い教育の実現を目指して 事務職員定数改善
 教員が子ども一人一人に向き合う時間を確保し、子どもたちの個性に応じたきめ細やかで質の高い教育を実現するため、小学校1年生の35人以下の学級を制度化することが昨年末に決まりました。その実現のために必要な教職員4,000人の教職員定数を措置するため、事務職員100人を含む2,300人の定数改善が行われます。小・中学校では事務職員の単数配置が多く、事務処理体制が未整備であり脆弱であることが課題とされてきました。事務職員の増員により、学校事務の組織化を進め、事務処理体制を強化し、学校事務ひいては学校教育の質の向上を図ることができます。この事務職員定数改善の有効性について、実績として明確に示し、これまで進められてきた事務職員の加配定数の改善にむけて、さらに努力を重ねてまいります。

3 学校のマネジメント力の向上目指して
 事務職員研修の拡充
 独立行政法人教員研修センターの研修事業の大幅な見直しの中で、事務職員対象の研修は、これまでの「事務職員研修」を廃止し、学校経営に参画する事務職員等についての指導者を養成する観点から、事務職員対象の研修を「学校組織マネジメント指導者養成研修」へ移行されることになりました。地域社会の中における学校のマネジメントの重要性が高まっており、校長対象の研修も、学校組織マネジメントに関する重点化が図られています。学校力の向上に、校長のマネジメント力の向上が重要であることは言うまでもありません。しかし、それだけで実現できるものでもありません。その学校の組織の総合力の向上、すなわち学校が最強のチームになれるかどうかは、校長を支える私たち事務職員にかかっていると思います。事務職員のマネジメント力が向上すれば、学校のマネジメント力も向上し、学校は変わります。事務職員の能力開発・資質向上は喫緊の課題です。事務職員全体の資質向上が図られるよう事務職員研修のさらなる拡充にむけて、広く理解を求めていきたいと思います。

4 子どもの豊かな育ちを支援する学校事務の具現化を目指して
 「教育課程の実施と学校事務」に関する研究の推進と交流
 本会では、今年度の年次別課題を「教育課程の実施と学校事務」と設定し、本部と支部が一体となり研究を進めています。地域・学校・子どもの実態に即した、特色ある学校づくりが求められている中、教育目標達成を目指して、創意工夫を生かした教育課程の編成、適切な運用、そして評価・改善が展開されています。このカリキュラムマネジメントを教員とともに担う事務職員の新たな役割を追究するとともに、改めて、教育の質を高める学校事務の機能を見直し、「子どもの豊かな育ちを支援する学校事務」の具現化を目指しています。
 平成23年2月25日に東京で行う「全事研セミナー」では、教育課程に関連した講義を設定し各地の研究を支援します。また、平成23年7月27~29日は、「教育課程の実施と学校事務」を特集テーマとして全国研究大会鳥取大会を開催します。教育課程の実施において、「カリキュラムマネジメントと学校事務」「教育課程の編成・実施と学校財務・施設設備」「学校間連携・地域連携を踏まえた教育課程の編成・実施と学校事務組織」の観点から課題を整理し、学校事務の機能および事務職員の役割を追究します。各地の研究交流を図り、その成果を全国に還元していきたいと考えています。多くの皆様のおいでにお待ちしております。

 「学校評価システムの構築と学校事務機能」に関する調査研究の推進
 平成24年度の年次別課題は「学校評価システムの構築と学校事務機能」です。学校評価における事務職員、共同実施組織(地区学校事務室)の役割を追究し、平成24年7月25?27日の全国研究大会茨城大会にむけて調査研究を進めます。

 本年も、学校事務の調査研究を推進し、事務職員の資質向上を図り、もって学校教育および教育行政の推進に寄与してまいります。
どうぞ、よろしくお願いいたします。


 

会長あいさつ

 今年もみんなで一緒に「学校財務ウィーク2010」

 今年も みんなで一緒に「学校財務ウィーク2010」
 子どもの生きる力をはぐくむ学校教育環境を求めて



 本会は、社会に学校教育の向上を図る上で必要不可欠である学校財務の重要性を認知していただき、学校財務への理解を深め意識を高めることを目的に、11月第1週を「学校財務ウィーク」とし、全国各地で「学校財務ウィーク」に取り組んでいただいております。
 
 本年度も「学校財務ウィーク2010」を実施いたします。
 11月第1週(11月1日?7日)を中心に、各学校や地域の状況に応じた「学校財務ウィーク」への積極的な取組みをお願いいたします。
 「学校財務ウィーク」事業は、文部科学省はじめ全国都道府県教育長協議会、全国市町村教育長協議会、全国都市教育長協議会、全国町村教育長会、全国連合小学校長会、全日本中学校長会、全国公立学校教頭会、日本PTA全国協議会、全国公立高等学校事務職員会様のご後援をいただき、多くの関係団体様よりご支援・ご協力をいただき事業を進めています。
 多くの皆様に「学校財務ウィーク」を知っていただくために、「全国学校財務ウィーク」のポスターを作成しました。学校等の施設内で掲示していただきたく、特段のご配慮とご協力をお願いいたします。会員の皆様へは、「9月30日発行全事研会報第201号」とともに、支部を通してポスターを配布させていただきます。リーフレットとともにホームページにもアップいたしましたのでご活用ください。
 また、「学校財務フォーラム2010」を開催するほか、学校財務ウィーク事例集を作成します。昨年度の皆様の取組みは、「学校財務ウィーク2009 事例集」としてまとめ、会員ページにアップしていますので、取組みの参考にしていただければ幸いです。 
 「学校財務ウィーク」は、子どもの豊かな育ちを支援するためのものであり、学校財務を充実させ、学校教育の質の向上を図るためのものです。「学校財務ウィーク」の活動が全国すべての学校で展開されることを願っております。全国の事務職員による財務運営改善を通じて、学校財務運営の透明性が確保され学校への信頼が高まるとともに、教育予算の確保による学校教育環境の充実並びに学校経営ビジョンを実現させる学校財務運営の推進が図られることを熱望します。今年も皆様の積極的な取組みをお願いいたします。
 

会長あいさつ

徳島大会ありがとうございました

 7月28日から30日までの3日間、徳島県において、第42回全国公立小中学校事務研究大会徳島大会を開催いたしました。全国各地から1900名近くの参加者を得て、多くの成果をあげ、成功裡に終えることができました。 
 大会開催にあたり、多大なる御支援・御指導を賜りました文部科学省、徳島県、徳島県教育委員会を始め、関係機関・関係団体の皆様に厚く御礼申し上げます。また、公務御多忙の中、大会に御臨席賜りました、文部科学大臣政務官高井美穂様をはじめ御来賓の皆様に、心から感謝いたします。
 今、社会は急速に変化し、その中にあって、教育の重要性はますます高まっています。子どもたちへの教育を一層充実していくためには、質の高い学校教育が必要であり、その実現には、質の高い学校事務が不可欠です。学校があるかぎり学校事務はあります。全国どこの学校でも質の高い学校事務が行われることはナショナルスタンダードでなければならないと思っています。
 その質の高い学校事務は、私たち一人一人の学校現場における実践・努力によってはじめて実現します。その実践力を向上させるために、全国各地の実践知を学びあい、高めあうことがきわめて大切です。事務職員の数の充実と質の向上、すなわち事務職員の研修の拡充は、学校教育の質の向上に不可欠です。
 全国研究大会は、全国の事務職員が一堂に会し、全国共通の課題研究に取り組み、互いに研鑽を深め、資質を向上させることを目的として、「子どもの豊かな育ちを支援する学校事務」を大会テーマに掲げ、開催しています。
 本研究大会のテーマは、日々成長を続ける子どもたちが持つ、自ら伸びようとする気持ち、自ら育ちゆく力を、教育の現場にいる大人として支援し、より豊かな学びの場としての学校づくりを進めていきたい。という私たちの願いと決意を表しています。
 徳島大会の特集テーマは、「地域連携の在り方と学校事務組織」でした。これまでの学校と地域の関わりについて問い直し、新たな地域連携と学校事務組織の在り方について、追究しました。学校事務のひろがりと組織化の重要性を確認するとともに、学校事務の研究を、また一つ積み重ねることができました。
 「私たち事務職員は、子どもたちを支援する職である。子どもたちへの教育をとおして社会に貢献する職である。」という理念を確認し全国31,700校の小・中学校に学ぶ1,014万人の子どもたちのために、今、私たちにできること、私たちがなさなければならないことを大会をとおして、参加者とともに再確認することができました。
 この徳島大会で得られた大会成果が、全国の学校で根付き、「子どもの豊かな育ちを支援する学校事務」の実践として実を結ぶことを期待しています。
 ありがとうございました。

 

会長あいさつ

平成21年度 全事研セミナー開催にあたり

会員の皆様には、日頃より、本部の活動に対しましてご支持ご協力をいただき、ありがとうございます。

 本セミナーを開催するにあたりまして、ご後援を賜りました文部科学省より初等中等教育局視学官吉川成夫様にご臨席を賜りました。公務御多用の中おいでいただきまして、誠にありがとうございます。また、文部科学省におかれましては平素よりご指導・ご助言を賜っておりますことに、深く感謝申し上げます。

 さて、本会では、昨年8月福岡県におきまして「学校の裁量権拡大と学校財務制度」を特集テーマとして、第41回全国研究大会を開催させていただきました。3344人の参加をいただき、多くの研究成果をあげることができました。この研究成果が、全国各地で実を結びますことを期待しています。今年は、7月28日より3日間、徳島で「地域連携のあり方と学校事務組織」を特集テーマに開催させていただきます。どうぞ多くの皆様がご参加くださいますようよろしくお願いいたします。

 また、11月第1週には、学校財務に対して社会の理解を深めていただくため、「学校財務ウィーク2009」を実施いたしました。2年目となった今年度は、ポスターを会員の皆様に配布させていただき、学校への掲示をお願いするとともに、11月4日に東京で「学校財務フォーラム」を開催しました。また、「子どもたちの豊かな育ちのため、もう一度考えてみよう! 学校財務を」を合言葉に全国に学校財務の取り組みを呼びかけさせていただきました。23支部から185の実践報告をいただきました。本年も、11月第1週に「学校財務ウィーク2010」を呼びかけさせていただきます。さらに多くの方々に取り組んでいただきますよう、お願いいたします。

 さて、昨今の事業の見直しの中で、ともするとすぐに効果のでないもの、成果を示すことができないものは、費用対効果が低く、無駄であるかのような捉え方をされてしまう危惧がありますが、教育の成果とは、速効性のあるものだけではなく、長いスパンで見えてくるものであり、ましてや学校事務の効果は直接的にはなかなか見えにくいものだと思います。
しかし、学校がある限り学校事務はあるのです。全国どこの学校においても質の高い学校事務が行われることは、ナショナル・スタンダードでなければならないと思います。質の高い学校教育の実現に事務職員の資質向上と数の充実は不可欠なのです。このことを広く社会に理解していただく必要があります。全事研では、これまで中教審や調査協力者会議において、学校事務の重要性、事務職員の質と数の充実の必要性について、意見発表を行ってきました。
このたび、文部科学省において23年度以降の教職員定数改善について本格的な検討を始められることになり、現在、教育関係団体に対するヒアリングが行われています。本会も、3月2日に、意見発表させていただきます。皆様を代表し、これまでの本会の考えや、支部からいただきましたご意見を踏まえ、限られた時間ですが、精一杯お話してまいります。
今後も、本会は様々な機会に学校事務の重要性をアピールしてまいりたいと思います。しかしながら一番大切なのは、私たち一人ひとりが各学校で実践として示していくこと、その積み重ねの実績だと考えます。「事務職員は、子どもたちを支援する職である。」という理念をしっかりと確認しながら、学校事務のさらなる深化・拡充を、皆様のお知恵とご協力をいただきながら全国の事務職員が一つとなって進めていきたいと考えています。どうぞ、お力添えをいただきますようよろしくお願いいたします。

 ところで、学校事務とは、事務職員が中心となって担い、つかさどり、総括していくものですが、事務職員だけで行うものでもなく、関係する多くの方々とともに考え、学校づくり・教育づくりの中で行われるものだと考えます。
関係する方々とパートナーシップを築くためには、相互に理解しあうことが重要になります。事務職員を理解していただくためには、事務職員自身が、学校事務の機能とは何か、事務職員の役割は何かということを明確に示すことがより重要になると思います。
言うまでもなく、私たちは、学校事務のプロです。私たち、学校事務職員は、教職員の一員としてカリキュラムマネジメント・学校のネットワークづくり、学校評価等に深くかかわり、また、情報・財務・施設管理を中心とした学校事務をとおして、学校づくり、教育づくり、人づくりを行っています。今後、学校を核にし、各学校間、あるいは学校と行政と家庭とそして地域を結び付けていく役割がこれからの事務職員の役割になってくると思います。
2月22日付日本教育新聞「学校事務新時代」で、兵庫県立大学の清原副学長も、事務職員のキャリア形成の必要性について言及されておられます。期待されている役割を果たしていくために必要な能力開発、そしてそのキャリアアップのシステム、それを活かしていくことが今後、必要になってくると思います。

 本日のセミナーは、文部科学省行政説明のあと、(社)日本PTA全国協議会の相川会長様と横浜市東山田コミュニティハウス館長の竹原和泉様をパネリストにお迎えし、「学校と地域社会のパートナーシップ」をテーマにパネルディスカッションを行います。そのあと、京都産業大学西川信廣教授から「学校間・地域連携と学校事務職員の役割」と題した講義をいただきます。いずれも、年次別課題である「地域連携の在り方と学校事務組織」に沿った内容となっております。
本日の研修をとおして、学校と地域との連携に関する基本的考え方や、その現状、連携を進めていく上での課題・連携の効果、そして、地域連携における学校事務の機能、地域とともに新しい時代の学校づくりを積極的に担う事務職員の役割、地域にねざした事務職員の姿について、さらに一層理解を深めていただきたいと思っています。
本日の研修の成果が、各地の研究推進の一助となるとともに、皆様の学校現場で学校事務の実践として成果をあげていただきますことを期待いたしまして挨拶といたします。

 

会長あいさつ

新しい年の幕開け 子どもたちに届けよう 事務職員の力を2010年 学校事務の重点課題


1 学校事務に関する実践課題

経済不況への対応
 今、社会は百年に一度の世界的不況にあると言われています。経済雇用状況の悪化により、学校給食費や修学旅行費等が大きな負担になっている家庭も増え、就学援助制度を申請する世帯は増加しています。保護者に対する制度の周知や、きめ細かい個別相談に応じることで保護者の不安をやわらげ学校に対する信頼を得るのも私たち事務職員の仕事です。また、補助教材費の公費化をはじめとする保護者負担経費の見直しなどにより、教育効果を保持しつつ保護者の経済的負担を軽減することに、今年も全力で取り組んでまいります。この経済不況が、学校教育の質の低下や学習機会の格差など、子どもたちに悪影響を与えないよう、私たち事務職員の力を発揮していきたいと思います。

新学習指導要領への対応
 小学校では平成23年度、中学校では平成24年度からの新学習指導要領の全面実施に向けて準備を進めています。授業時数や指導内容が増加しているため、教材教具・施設設備・指導者等の条件整備を、移行期間中に計画的に進めていく必要があります。
 学校現場では、事務職員が中心となって、教員と共に教材・施設設備研究会の組織化、複数年度にわたる教材整備計画・施設整備計画の策定に取り組みます。また、学校関連携による教材の共有化や貸与など、新学習指導要領の円滑な実施に向けて、子どもたちが新学習指導要領に基づいた教育を十分に受けられる環境整備を進めていきます。


2 事務職員に関する制度的課題

事務職員定数改善
 平成22年度予算において、教員が子どもと向き合う時間を確保するとともに、新学習指導要領の円滑な実施を図るため、4200人の教職員定数の改善を行い、教員が教育に集中できる環境をつくることが昨年末に決まりました。その中で、教員の事務負担の軽減として、21年度と同様の73人の改善が行われることになりました。文部科学省の概算要求では、事務職員定数の充実を図るため351人の事務職員定数改善をあげていただき、私たちも、その実現に向けて積極的に活動を行いましたが、事務職員定数改善の有効性について十分なご理解をいただくまでには至らなかったと反省しております。その効果は、単に、教員が分担している事務を事務職員へ移行することにより、教員の事務負担を軽減させるということだけではありません。小・中学校では事務職員の単数配置が多く、事務処理体制の不安定さが課題とされています。事務職員の増員により、学校事務の組織化を進めることで、事務処理体制を強化し、学校事務の拡充と質の向上を図ることができます。
 質の高い学校教育の実現に事務職員の資質能力の向上と増員は不可欠です。まずは、73名の事務職員定数改善の効果を明確に示していく必要があります。同時に、次なる定数改善に向けて、さらなる努力を続けてまいりたいと思います。

事務長制
 昨年3月26日に学校教育法施行規則が改正され、小・中学校にも、事務長を置くことができるようになりました。これまで、小・中学校の事務処理体制の脆弱さが課題として指摘されてきましたが、この制度改正はその有効な解決策の一つになると確信しています。これを受けて今年は、全国各地で事務長制が導入され、組織的な事務処理体制が整えられ、事務の効率化や充実が図られるなど学校現場にその効果が実現することを期待しています。私たち事務職員も、制度を定着させ実践につなげるよう、一層の努力をいたします。


3 学校事務に関する調査研究課題

「地域連携と学校事務組織」に関する研究の推進と交流
 学校・地域・家庭の連携・協力のもと、社会全体で教育の向上に取り組んでいくことが求められ、学校支援地域本部等の事業が展開されるとともに、様々な制度が導入されています。
 本会では、平成22年度の年次別課題を「地域連携の在り方と学校事務組織」と設定し、「子どもの豊かな育ちの支援」の具現化をめざし、本部と支部が一体となった調査研究を行っています。「連携」と「組織改革」をキーワードに、事務職員が学校と家庭、地域をつなぎ拡げ、新しい学校づくりや地域の生涯学習の推進にその一翼を担い、相互参画による相乗効果を子どもの育ちにつなげていく担い手となることを目指しています。
 平成22年2月26日に行う「全事研セミナー」では、地域連携に関連した講義とパネルディスカッションを行い各地の研究を支援します。
 また、平成22年7月28?30日には、「子どもの『生きる力』をはぐくむことを目指し、社会全体で教育の向上に取り組んでいくことが求められている。学校と家庭・地域をつなぎ、子どもの輝く笑顔と成長のため、学校事務組織や事務職員の新たな役割を考え共有する」ことを目的として全国研究大会徳島大会を開催します。地域連携の観点からの学校事務の理論研究や実践研究を深め、本部研究として提案するとともに、各地の研究交流を図り、その成果を全国に還流していきたいと考えています。多くの皆様のおいでをお待ちしております。是非、ご参加ください。

「教育課程と学校事務」に関する調査研究の推進
 新学習指導要領は、小学校では平成23年度に、中学校では平成24年度から、いよいよ完全実施されます。本会では、平成23年度の年次別課題は「教育課程の実施と学校事務」と設定し、平成23年7月27?29日の全国研究大会鳥取大会にむけて調査研究を進めています。新学習指導要領を理解し各校における教育課程の編成・実施に関わっていく姿を、事務職員の共通認識とし、その上で、カリキュラムマネジメントの実施を通して、質の高い教育を展開する学校づくりと学校の総合力向上を実現する学校事務を追究しています。

2010年 新しい年の幕開け 子どもたちに届けよう 事務職員の力を
 本会は、今年も、学校事務の調査研究を推進し、事務職員の資質向上を図り、もって学校教育および教育行政の推進に寄与してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
 

会長あいさつ

質の高い学校教育の実現に事務職員の資質能力の向上と増員を

次代を担う子どもたちの輝く笑顔のため
    質の高い学校教育の実現に事務職員の資質能力の向上と増員を


 現在、全国の学校では、子どもたちの「生きる力」を、よりいっそうはぐくむことをめざす新学習指導要領を踏まえ、高い水準の豊かな教育の実現に取り組んでいます。これを実現するためには、教員が子どもと向き合う時間を確保するとともに、情報化の推進、優れた教材や教育施設整備等の充実した教育環境整備、そして学校マネジメント機能の強化による学校の総合力の向上が不可欠です。
 そのためには、「人」「物」「予算」「情報」を調整し、外部との連携を図る学校事務機能の強化が必須であり、事務処理体制の充実が喫緊の課題となっています。学校全体の事務量・内容に適した形態・規模の事務処理体制を早急につくる必要があります。
 しかし、日本の公立小中学校は、諸外国に比べると教員以外の専門スタッフの割合が格段に低く、高等学校に比べても事務職員数が少ない状況にあります。多くの公立小中学校には事務職員が一人しか配置されておらず、これまで学校事務の組織化が進まず、安定性に欠けるなど事務処理体制の脆弱さが指摘され続けてきました。そのため、教員の事務負担は大きく、専門外の仕事に忙殺され、本来の職務である教育指導に専念できない学校現場の実態が明らかになっています。
 学校財務・情報処理・施設設備・渉外連絡調整等の学校事務の専門性を高めた事務職員を増やし学校事務を組織化し、学校全体の事務を統括することが必要です。このことにより、教員が負担している事務を軽減し、子ども一人ひとりと向き合う時間を拡充することできます。さらに、事務の効率化が図られるだけではなく、その質の向上と新たな業務領域への対応、適正で効果的な事務処理が推進されています。このことは事務職員が加配されている学校で実証されています。
 私たち事務職員は、子どもたちの豊かな育ちを支援するため、学校全体を見渡し、外部と連携し、情報・財務・施設設備のマネジメントを担い、質の高い教育を実現する学校づくりを進めていきます。一層の研鑽を積み、さらに資質・能力を高め、地域や保護者の負託に十分に応えられるよう、自らの職責を果たしていきたいと思います。
 平成22年度予算の概算要求では、教員が子どもと向き合う環境づくりと新学習指導要領の円滑な実施のための指導体制整備として教職員定数改善があげられています。その中に教員の事務負担軽減として事務職員351人の定数改善も含まれています。次代を担う子どもたちの輝く笑顔のため、これが実現することを強く願っています。
 

会長あいさつ

11月 みんなで「学校財務ウィーク2009」の取組みを

子どもたちの豊かな育ちのために、もう一度考えてみよう! 学校財務を!

 本会では、昨年度、社会に学校教育の向上を図る上で必要不可欠である学校財務の重要性を認知していただき、学校財務への理解を深め意識を高めることを目的に、11月第1週を「学校財務ウィーク」とすることを提唱させていただきました。この呼びかけに応じ、全国各地で「学校財務ウィーク」に取り組んでいただきましたことにお礼申し上げます。
 取組みの一例として、上越市では、市民を対象に例年開催されている「教育を考える集い」のワークショップで学校財務について紹介が行われました。京都市では、全校で予算の中間決算報告・点検に取り組み、学校財務の協議・検討を行う「学校経理の日」や学校財務に関する喫緊の課題・取組みのための説明会や研修会等が実施されました。新潟市でも、学校財務研修が集中的に実施されました。その他にも全国各地で、職員会議で学校予算の執行状況と執行計画について報告を行った学校や、予算委員会を開催し、教材備品活用アンケートをもとに活用度を高める方策について協議した学校、事務だより等により学校財務情報を発信した学校など様々な取組みが展開されました。このような取組みに対し、各方面より高い評価をいただいておりますことに感謝申し上げます。と同時に期待の大きさを感じ、あらためて取組みの重要性を認識しています。

本年度も「学校財務ウィーク2009」を実施いたします。11月第1週(11月1日?7日)を中心に、各学校や地域の状況に応じた「学校財務ウィーク」への積極的な取組みをよろしくお願いいたします。
 「学校財務ウィーク」事業は、文部科学省はじめ全国市町村教育長協議会、全国都市教育長協議会、全国町村教育長会全国連合小学校長会、全日本中学校長会、全国公立学校教頭会、日本PTA全国協議会、全国公立高等学校事務職員会様のご後援をいただき、多くの関係団体様よりご支援・ご協力をいただき事業を進めています。
 本年度は、さらに多くの皆様に「学校財務ウィーク」を知っていただくために、「全国学校財務ウィーク」のポスターを作成しました。学校等の施設内で掲示していただきたく、特段のご配慮とご協力をお願いいたします。会員の皆様へは、「9月30日発行全事研会報第197号」とともに、支部を通してポスターを配布させていただきます。ホームページにもアップいたしましたのでご活用ください。
 また、「学校財務フォーラム2009」の開催や、学校財務ウィーク事例集の作成を予定しています。 
    
 「学校財務ウィーク」は、子どもの豊かな育ちを支援するためのものであり、学校財務を充実させ、学校教育の質の向上を図るためのものです。「学校財務ウィーク」の活動が全国すべての学校で展開されることを願っております。全国の事務職員による財務運営改善を通じて、学校財務運営の透明性が確保され学校への信頼が高まるとともに、教育予算の確保による学校教育環境の充実並びに学校経営ビジョンを実現させる学校財務運営の推進が図られることを熱望します。皆様の積極的な取組みをお願いいたします。
 

会長あいさつ

檜山新会長 あいさつ

 

全国公立小中学校事務職員研究会は、昭和43年7月に発足して以来41年間にわたり、学校事務の研究、事務職員制度の確立を推進し、事務職員の資質向上を図り、もって学校教育および教育行政の推進に寄与してまいりました。
 
 本年も8月5日から3日間、福岡県におきまして第41回全国公立小中学校事務研究大会(福岡大会)を「学校の裁量権拡大と学校財務制度」を特集テーマとして開催させていただきました。全国から3,300名を超える参加者を得て、多くの成果を挙げ成功裡に終えることができました。文部科学省、福岡県教育委員会を始めとします関係機関等のご支援ご協力にお礼申し上げます。この大会で得られました研究成果が、大会サブテーマ「つなげよう!新たな挑戦へ ?飛(とび)梅(うめ)にのせ 全国へ?」のとおり、全国の学校で「子どもの豊かな育ちを支援する学校事務」の実践として結実することを期待しております。

 さて、本年3月26日に学校教育法施行規則が改正され、小中学校にも、「校長の監督を受け、事務職員その他の職員が行う事務を総括し、その他事務をつかさどるもの」として事務長を置くことができるようになりました。この省令改正は、事務職員にとりまして画期的な制度改革です。これまで、小中学校の事務処理体制の脆弱さが課題として指摘されてきましたが、その有効な解決策の一つになると確信しております。学校現場にその効果が早期に還元できるよう、制度を定着させ実践につなげていくことが大切です。多くの教育関係者の皆様のご理解ご支援をいただき、教育委員会のご尽力により、事務長制が早期に全国各地で実現することを願っております。

 事務長元年 新しい時代のスタートです。

 私は、会長として、全国の事務職員が、学校事務のグランドデザインで描いた質の高い学校事務を展開できるよう全力を尽くす所存です。

 学校事務の専門家であり、その責任者である私たち事務職員は、今こそ、その真価を発揮すべきときにあります。

 学校事務の基本的機能は、学校組織の適正な意思決定のための情報処理機能であり、教育活動を実現するための諸条件の整備です。私たちは、学校の総合力の向上のため、これを十分に機能させ、校長を補佐し、学校をトータルにプロデュースすることにより、質の高い教育を展開する学校づくりを推進させていきましょう。

 そのためには、全国公立小中学校事務職員研究会の諸活動を通して、関係機関・関係団体等を始めとして広く社会に、私たち事務職員の声を伝え、学校事務の理解をさらに深めていただくことが、ますます重要になってきます。

 会員の皆様、諸先輩の皆様、関係者の皆様のご指導ご支援を得て、学校教育の進展のため、本会活動を進めてまいります。

 なにとぞ、よろしくお願いいたします

 

会長あいさつ

 会長あいさつ:「事務長制」の実施に伴って

 いよいよ、「事務長制」が始まった。
 私たち事務職員は、昭和22年の学校教育法第28条により配置された。62年の歴史の中で、昭和50年に学校教育法施行規則により事務主任が規定され、「従事する」職務から「つかさどる」職務への道が開けた。しかしながら、事務長への道は、その後も長く続いた。
平成19年2月28日の中央教育審議会初等中等教育分科会において、本会は「学校教育法等の改正に関する意見」として、「学校の自主性・自律性の確立が喫緊の課題である中、創意工夫を凝らした学校経営の必要性はますます高まっております。学校運営組織の要として事務長を置くことにより、学校事務の責任と権限をより明確にしていくことができます」と意見発表を行った。事務長制は、本会にとって設立以来の願いであり、中教審等で何度も発言をして来たが、この日の意見発表は、ようやく先輩諸氏のご尽力にお応えし、全国の事務職員の積年の願いを果たせる日も近いとの確信を持って臨むことができた。
 この10年余りの教育改革は、学校にとって大きな変革を伴うものであったが、中でも組織としての学校の経営の在り方が問われたことは、事務長制にとっても深い関連がある。
 平成10年の中教審答申「今後の地方教育行政の在り方について」は、教育の世界での構造改革、つまり地方分権と規制緩和の教育版と言うことで重要な答申であり、共同実施という言葉が始めて提言されたことは画期的である。なぜ共同実施が必要とされたのかを読み取っていくと、この提言が「第3章 学校の自主性・自律性の確立について」にあることに注目すべきである。学校の自主性・自律性の確立には、学校の裁量権を拡大する必要があり、そのためには学校の運営組織の見直しが必要であり、学校事務も「学校の規模や実態に応じて、学校事務を効率的に執行する観点」から組織化する必要が提言されたと考えられる。
 さらに、平成12年には、教育改革国民会議による教育を変える17の提言で「学校に組織マネジメントの発想を導入」が言及された。
平成17年10月答申「新しい時代の義務教育を創造する」では、事務の共同実施や共同実施組織に事務長を置くことを検討するなど、学校への権限移譲を更に進めるための事務処理体制の整備を進めることが提言された。
 そして、平成19年12月に改正された教育基本法は、その6条に「学校においては、体系的な教育が組織的に行われなければならない」の規定を設けた。これにより、改正学校教育法37条で、学校における組織運営体制や指導体制の確立を図るために、主幹教諭等を置くことと定められた。教育課題が増大する中で、教育の質の保証と信頼に応える学校の確立には、校長の明確な経営ビジョンとリーダーシップのもと、学校自らが自主的自律的な運営により、適切かつ迅速に対処できる機動的な組織とその運営体制が必要とされたのである。学校は教職員個人の集合体から、組織として責任と役割をより明確にすることが求められた。
 この10年間、学校の組織運営の在り方が問われ続け、同じ議論の中に共同実施、事務長がある。
 学校事務の目的は、子どもの豊かな育ちの支援であり、学びの保障である。すなわち、学校事務を通じて、質の高い教育を展開する学校づくりであり、学校の総合力の向上である。学校事務の基本的機能は、学校組織の適正な意思決定のための情報処理機能であり、教育活動を実現するための諸条件の整備である。日々の具体的な活動は、当然事務処理も行うが、そこに留まるものではない。学校事務とは、組織である学校の中の複合的な要素を繋ぎ合わせ、結合された一つのシステムとして、効果的で効率的に動くようにすることである。システムの順調な運行にはマネジメントを欠かすことができない。学校事務のグランドデザインでは、学校組織マネジメントを基盤に、事務職員が主として担う基幹的マネジメントとして、学校財務、学校情報、学校施設設備のマネジメントを挙げ、今後深く関わっていく共通マネジメントとして、学校評価、ネットワーク、カリキュラムのマネジメントを挙げた。
 学校の組織運営体制では、学校への権限移譲をさらに進めるための事務処理体制の整備を図り、学校の「人、物、予算、情報」を企画し調整を行うための教育を支える領域として事務組織を明確に位置づけることが必要である。新たに配置される事務長は、職務権限と責任を明確にし、校内・共同実施組織等の事務職員等への指導助言、事務長の職責に基づく事務の決定・遂行、並びに対外的な代表や連絡調整を担うことになる。
 ここで言う事務組織は、複数の事務職員を核とした組織が望ましいが、限定するものではない。たとえ、事務職員は一人であったとしても、教職員の協働を基盤とした事務組織の構築が求められている。
 「学校運営組織の要として」の事務長を核とした学校事務組織が、学習指導要領に基づき教育課程を編成し学校現場に応じた効果的な教育活動を展開するための様々な学校教育条件整備を確実に実践することを心より期待したい。
 

会長あいさつ

「学校財務ウィーク」の全国展開について


 毎年11月第1週を、「学校財務ウィーク」として、全国で学校財務への理解を深める期間としましょう!
 本会では、創立40周年を記念して、今後の中・長期の学校事務を展望する「学校事務のグランドデザイン」を策定し、新しい時代の学校事務・事務職員像を示すとともに、実践によって実証することを提起いたしました。
 その初年度にあたり、20年度総会並びに全国研究大会福島大会では、まず全国のすべての事務職員が学校財務を統括することを目指したいと申し上げました。そして、この決意を全国に伝播し、事務職員はもちろんのこと、校長、教職員、教育委員会、文部科学省、保護者・地域の皆様と学校財務についての理解をともに深め、意識を高めることを目的に、「学校財務ウィーク」を設けることを提唱いたしました。
 本会は、平成18年度から2か年にわたり文部科学省より委託され、学校財務運営に関する調査研究に取り組んできました。その結果、全国の学校財務の状況には、様々な差異があり、情報の共有化が進んでいない、学校財務に関する社会的関心が低い、関係者の理解も十分とは言えないなど、その改善に向けた取組みを推進する余地が未だ多くあることが明らかとなりました。今後、教育の質の向上につながる学校予算の確保並びに学校財務の重要性を広く社会に喚起するなどの啓発活動や、学校や教育委員会における学校経営ビジョンを実現させる学校財務運営の推進活動が一層重要となってきます。その具体化として「学校財務ウィーク」の全国展開を行います。
 「学校財務ウィーク」は、文部科学省をはじめとし、全国都道府県教育長協議会、全国市町村教育委員会連合会、全国都市教育長協議会、全国町村教育長会、全国連合小学校長会、全日本中学校長会、全国公立学校教頭会、日本PTA全国協議会、全国公立高等学校事務職員協会等の教育関係団体との連携のもと、11月1日を初日とした1週間に全国一斉に活動することを原則とします。今年は初年度でもあり、11月4日からの1週間に、学校内で事務職員が学校予算の報告を行う等、各学校や地域の実情に応じた学校財務に関する取組みを中心とします。次年度以降は、毎年の実績にもとに、全国的なイベントを行うなど事業を拡大します。
 「学校財務ウィーク」の活動が全国すべての学校で展開され、全国の学校事務職員の財務運営改善を通じて、何よりも教員の子どもと向き合う時間が確保され、教育の質の向上が図られることを熱望いたします。併せて学校財務がさらに充実するとともに、学校財務運営の透明性の確保により、学校への信頼がさらに高まりますよう、「学校財務ウィーク」への積極的な取組みをよろしくお願いいたします。

 

会長あいさつ

 福島大会 御礼


 去る8月6日から3日間、福島県において40周年記念全国研究大会福島大会を「情報管理と危機管理、学校事務」を特集テーマとして開催いたしました。全国から2748名の参加者を得て、多くの成果を挙げ成功裡に終えることができました。大会は、郡山市立大島小学校の児童による清々しいコーラスで幕を開けました。素晴らしい歌声に、会場は学校事務のすべてをこの子どもたちのためにという思いで満たされました。
 ご尽力をいただきました大会実行委員会の皆様には誠にありがとうございました。また、文部科学省、福島県教育委員会を始めとします、関係機関のご指導ご支援に心よりお礼を申し上げます。

 今大会は、創立40周年を記念する大会であると共に、「子どもの豊かな育ちを支援する学校事務」を目指す第6次研究中期計画の5年間の答えを導き出す大会でもありました。5年前の高知大会で掲げました「学校の自主性・自律性を高める」「地域との連携を推し進める」「組織マネジメントを展開する高度な経営能力」という事務職員への3つの課題を、兵庫、神奈川そして愛知大会と引き継ぎ、今大会で5年間を総括し、41回福岡大会からの第7次研究中期計画に引き継ぎました。
 また、40周年記念事業としまして、「学校事務のグランドデザイン」を報告いたしました。グランドデザインは、30周年で発表いたしました全事研ビジョン以後の10年間を検証し、今後の学校事務の全体構想を描きました。大会初日に報告を行い、参加者からアンケートの形で意見を求め、最終日の全体研究会のシンポジウムで「新しい時代を担う組織的、戦略的学校事務の展開に向けて」さらに議論を深めることができました。グランドデザインとは、新しい時代の学校事務への確実なロードマップであると同時に、全国に学校がある限り学校事務は在り続け、そして学校事務職員こそが学校事務を変え、新しい時代にふさわしい学校へと変えていけるという仕事宣言でもあります。

 福島大会前日に開催されました平成20年度定期総会におきましては、19年度の事業報告並びに20年度事業計画、役員が承認されました。本会への期待は、事務職員からも、教育に携わる人々からもますます大きいと改めて感じています。そして、期待に応えるべく、本会では事業推進に全力を尽くしてまいりましたし、20年度も変わらず全力で事業を遂行いたします。今後とも学校事務職員にとって唯一の職能集団として、全国的な視野で理論追究と現場実践の活動を進めてまいりますのでよろしくお願いいたします。

 事務職員を取り巻く現状はますます厳しい、と言わざるを得ません。義務教育費国庫負担制度は、平成17年度に中央教育審議会答申の「新しい時代の義務教育を創造する」におきまして、制度堅持が強く打ち出されましたにも関わらず、結果的には負担率を3分の一に切り下げて維持されました。しかしながら、その決定直後から制度そのものの維持を保証したものではないという声があります。いつ一般財源化の議論が再燃してもおかしくはない状況です。今回は事務職員だけを切り離した議論にはならないとは思いますが、今や学校で唯一の行政職となった私たち事務職員は教育職よりも厳しい状況にあることは自覚しなければなりません。
 文部科学省は、現在「県費負担教職員の人事権等の在り方に関する協議会」を設置して、中核市等への人事権の委譲と給与負担の適切な見直しを検討しています。また、地方分権改革推進委員会は、6月の第一次勧告で、政令指定都市と中核市の人事権者と給与負担者が一致するよう、平成20年度中に結論を得るとしています。文部科学省では、さらに検討を重ねるようですが、大きな懸念材料と捉えています。審議全体の動向もさることながら、特に事務職員だけを先行委譲させようというような動きとならないよう注視が必要です。
 次に定数改善です。本会ではかねてより、教員が子どもと向き合うためには、教員ばかりではなく事務職員の定数改善もぜひ必要であると主張してきました。今や社会の要請ともなっている教員の事務負担軽減のためにも、共同実施と事務長制による学校事務の組織化が有効であり、その推進のためには事務職員のさらなる配置が有効であると訴えてきました。平成21年度文部科学省概算要求では、「事務職員定数の充実として」73人が要求されました。本会では、今年こそ、この73名の定数改善は実現させたいと強く願っています。一人配置が原則の私たちにとって、定数とは単に人数の増減の問題ではありません。どのような仕事を期待されてどのような配置が望ましいとされるのか、学校事務と事務職員の存在意義に関わるものと捉えています。
 教員の事務負担軽減は、本来ならば、私たちが解決しうる問題としてもっと期待されるべきものです。本会では、中央教育審議会のヒアリング等の機会を捉えて、毎回必ず事務職員は期待に応えます、との発言をしてきました。直近のものでは、6月26日の文科省の「学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会議」では、教職調整額の維持とともに「教員が子どもと向き合う時間の確保や効果的・効率的な指導のための条件整備には、事務処理体制を確立することが有効な手段であると考えます」と発言し、併せて事務長配置と学校事務の組織化の有効性を訴えました。本会では、このような中央段階での取組をさらに進めます。 しかし、何よりも今必要なのは、現場で実践を積上げる一人ひとりの会員が、教員が担っている事務も含め、学校全体の事務を見渡し学校づくりに積極的に参画することです。皆様の積極的な行動をお願いいたします。

 20年度の活動は、グランドデザイン実行策を中心に据えたものになります。本会ではまず全国のすべての事務職員が財務を統括することを目指したいと考えています。そして、この動きを広く社会に認知されるために、事務職員はもちろんのこと 校長を始め教職員、文部科学省、教育委員会、保護者・地域の皆様と学校財務についての理解をともに深め、意識を高めることを目的に「全国学校財務ウイーク」を提唱しています。実現に向けてのご支援をお願いします。

 

会長あいさつ

 創立40周年に寄せて

 全国公立小中学校事務職員研究会が創立40周年を迎えるにあたりまして,会員を代表しましてご挨拶申し上げます。
 本日は,誠にご多忙の中文部科学副大臣池坊保子様にご臨席を賜りました。また,文部科学省初等中等教育局長 金森 越哉様,文部科学省初等中等教育局 初等中等教育企画課長 常磐 豊様,全国都道府県教育長協議会事務局長 坂 崇司様,全国連合小学校長会長 池田 芳和様,全日本中学校長会長 草野 一紀様にご臨席をいただいております。ご来賓の皆様には,平素よりご指導ご支援を賜り,また本日は,ご臨席を賜り誠にありがとう存じます。
 まず,この場にお越し頂きました全ての皆様に心から御礼申し上げますとともに,この40年にわたる全事研の活動を率い,あるいは支え,そして共に歩んでいただいた,先輩や仲間の皆様のご努力に心からの敬意を表します。
 本会は,昭和43年7月29日に熱海市で設立総会が開催され誕生いたしました。会員数は1103名でした。この当時の状況は,第2次定数改善計画で小学校400人以上,中学校300人以上の児童・生徒数の学校に1名配置で,定数法上の配置率は3割程度でした。市町村費事務職員の配置もありましたが,全校配置にはほど遠いものでした。仕事の上では,給与の電算化がようやく始まった頃です。今の時代からは想像すら超えるような幾多の苦難を乗り越える先輩たちのご尽力により,全国の事務職員による事務職員のための研究団体である本会は創立されました。40年前,京都市で開催されました第一回研究大会のテーマは「より良い教育はより良い学校事務から」でした。このテーマに込められた先輩たちの気概と矜恃は,今も私の胸を熱くします。
 創立以来本会は、会員を全国に拡大する中で、子どもを中心に据えた教育に資する学校事務の確立と理想的な学校事務像の構築を目指しました。学校事務が、社会や時代の要請に的確に応えられるよう,全国的な視野で研究・研修を進めて来ました。5年ごとに中期研究計画を策定して,研究・研修の指針を示し,毎年開催する全国研究大会を通じて,その成果を確認してきました。同時に全国からの成果を集約し,全国に環流し,学校事務を深めそして拡げてきました。
 また,中央教育審議会をはじめ各種調査研究会議で意見発表を行う,さらには委員の派遣等、義務制学校事務職員による唯一の全国団体として、その存在意義を確かなものとして来ました。
 本会の40年間は、昭和から平成へ,また20世紀から21世紀へとまさしく激動の時代でした。教育を取り巻く状況も大きく変化しました。特にこの10年間の変化は激しく,学校も教育もそしてまた事務職員も大きな転換点に立っています。学校では,子どもたち一人一人の個性に応じ,その能力を最大限にのばすよう,各学校や地域の創意工夫に富んだ多様な教育が実施されています。教育の質の保証と信頼に応える学校の確立は,いつの時代であれ最優先課題です。学校では,この課題解決に向けて、自主性・自律性に基づく開かれた学校づくりを推進し、説明責任を果たす安定した学校運営のための経営力も求められています。それを実現するのは,校長のリーダーシップの下,教育と経営の両方の活動を繋ぐ役割を果たす,つまり,学校経営に参画する事務職員にかかっている,と本会では考えています。
 今回,40周年記念事業としまして「学校事務のグランドデザイン」を策定し,8月に開催されます40周年記念全国研究大会福島大会で発表させていただきます。このグランドデザインは,30周年で発表いたしました全事研ビジョン以後の10年間を総轄し,今後の中長期的な学校事務の全体構想をデザインしたものです。各支部からご推薦いただきました研究員と本部とで原案を作成し,各支部からの意見を集約し,昨日の評議員会で検討を行って頂いたところです。新しい時代の教育に対応する「学校経営ビジョンを実現し,子どもの豊かな育ちを支援する」学校事務のミッションを実現するものであると自負いたしております。
 また,文部科学省の委託事業であります,「新教育開発システム?新しい時代の学校財務運営の在り方に関する調査研究?」事業も,2年間の研究成果を今後報告させていただきます。この新教育開発システムは,本会としましても今までにない規模の委託事業となり,文部科学省の監督・ご支援の下,多数の有識者,協力者とともに事業を進めて参りました。昨年度実施いたしました全国学校財務調査は,初めての本格的な調査として,大きな注目を頂きました。グランドデザインと併せまして,今後の新しい時代の学校事務の指針となると確信を致しております。
 本日の40周年記念全事研セミナーでは,通常の講義に加えまして,記念講演としまして文部科学省初等中等教育局長 金森 越哉様にご講演を頂き,また「学校事務この10年と今後の展望について」と題しましてシンポジウムを行います。グランドデザイン,委託事業を補完するものと位置づけています。明日からの学校事務に活かしていただきますようよろしくお願いいたします。
 また,本日の資料には文部科学省のご厚意で「学校評価ガイドライン改訂版」を配布させていただきました。後ほど冊子の49ページの名簿をご覧下さい。本会からもこの調査研究協力者会議に副会長を,学校事務職員として唯一参加させて頂きました。これも本会が大きく成長させていただいた証と嬉しく受け止めています。学校を元気にするための学校評価を私たち事務職員も理解を深めるために,この改訂されたガイドラインを,学校の誰よりも早くお読み下さい。
 今改めて社会を見渡し,我が国の政治・経済の現状,世界の混沌とした諸問題を直視するとき,時に今までにない不安を抱くこともあります。そうであればこそ,なおさら教育の持つ力,教育の果たす役割が期待されています。文部科学省の「教育の構造改革」で言われましたように,教育とは,希望を持てる社会を築いていくための「鍵」であります。
 これからも社会はますます変化の速度を速めていくでしょう。学校の「形」も進化していくことでしょう。しかし,そこに学校のある限り学校事務はあり続けます。
 今後とも,私たち学校事務職員が教育を通じて次代を担う子どもたちの豊かな育ちを支え,すべての子どもたちに確実に未来を拓く「鍵」を手渡すことができることを願ってやみません。
 終わりになりましたが,本会の40年を支えていただいた全ての皆様に心よりの感謝を申し上げまして挨拶と致します。

 

会長あいさつ

学校多忙解消元年へのしごと宣言(2008.1.4)


 来年度の文部科学省予算では,残念ながら事務職員の定数改善は見送られました。この間,文部科学省には,中央教育審議会の提言等を受け,教員が子どもと向き合う時間を拡充するため事務職員の定数改善の実現に向けてご尽力頂きました。私たちも各方面からご支援を得るべく積極的に活動しましたが,「行革推進法」の壁は厚く,財務省・総務省から事務職員の定数改善についての理解が得られなかったことが大きな要因となり実現ができなかったと考えています。
 私たちはこの事態を重く受け止めています。やはり,事務職員の職務や役割が見えにくく,その重要性について,社会に幅広く理解頂くことができなかったことにあると思います。
 この反省に立ち,今年を,私たち全国公立小中学校事務研究会では,学校多忙解消元年への決意をもって「しごと宣言」をしたいと考えています。
 昨年度の学校を巡る最大のキーワードは「多忙解消」でした。確かにいま学校は多忙です。そして,保護者や地域は言うまでもなく,社会全体からも「学校多忙の解消」が求められる状況にあります。
 学校では,一人一人の子どもたちにきめ細かな指導を目指しながらも,多忙という壁を前にもがいている状況にあります。文部科学省では,本会役員も参加する「学校現場の負担軽減プロジェクトチーム」で検討を行い,調査文書等に関する事務負担と調査研究(モデル校)事業の在り方について,昨年12月7日にその中間まとめを発表しました。これを受けて,早速文部科学省では,全国調査を25%減少させるとしました。学校への事務や事業そのものを減少させることは効果のあることです。それでもなお,依然として学校には処理すべき業務が多くあります。そして,その多様な業務を通じて,学校はコンプライアンスや情報公開に基づいた説明責任を果たさなければならないのです。
 私たちは,根本的な学校の多忙解消には,学校の組織運営を見直し,事務職員に学校運営業務を集中させることが効果的と考えます。
 事務職員の職務として定着している,財務・施設・設備や総務,人事などに加えて,教員が校務分掌として担当することが多い教務・奨学事務などを事務職員が総括的に担当することによって,学校運営が効率化され,教員が子どもと向き合う時間を確保することができます。さらには,カリキュラムについても,その実施は教員であるべきですが,計数管理や進行管理などの事務的な役割は事務職員が行うことによって,教員が指導に専念できる環境を確保できます。
 これらの課題の達成には,個々の事務職員の力量や独自性を活かしながらも,組織として安定した学校事務の提供が前提であり,学校事務の共同実施が必要です。そして,さらなる共同実施の推進には,どうしても定数改善は必要です。そして,定数改善を実現させるためには,学校事務への積極的な理解を社会に求めていく活動をさらに進めることが極めて重い意味を持ちます。今年度の活動方針に掲げました「学校事務,事務職員のパブリシティを推進します」の重要性を再認識しています。今後は,事務長制の早期の実現に向けて取り組みを進めていくと同時に,次の定数改善に向けて,さらなる努力を続けます。ご支援をよろしくお願いいたします。

 

会長あいさつ

学校事務の組織化と定数改善

文部科学省の平成20年度概算要求では、「子どもと向き合う時間の拡充」と「教員の適切な処遇」の2本を柱として、「社会総がかりでの教育再生」を目指しています。この概算要求で、複数校の事務を共同実施する体制の整備促進として3年間で1456名の事務職員定数改善が盛り込まれました。これは、6名規模の共同実施に1名の加配を計算基礎としています。学校事務の組織化推進にとっては、力強い支援策です。
 昨年12月に改正された教育基本法は、その6条に「学校においては、体系的な教育が組織的に行われなければならない」の規定を設けました。この条文を受けて、改正学校教育法の37条で、学校における組織運営体制や指導体制の確立を図るために、副校長、主幹教諭、指導教諭を置くことと定められました。教育課題が増大する中で、教育の質の保証と信頼に応える学校の確立には、校長が明確な経営ビジョンを持ち、そのリーダーシップのもと、学校自らが自主的自律的な運営により、適切かつ迅速に対処できる機動的な組織とその運営体制が必要とされたのです。学校も教職員個人の集合体から、組織として責任と役割をより明確にすることが求められています。
 本会も、学校裁量拡大や特色ある学校づくりには、学校組織運営の確立は必須条件であると考えて来ました。これまで、総会・評議員会等の会議の機会や全国研究大会・全事研セミナー等を通じて、学校事務が、校務分掌のみに根拠を求めるような職務ではなく、ある程度の決裁権等が付与され、裁量と責任を持ち、学校経営への参画を進めていくことができるよう学校事務の組織化が必要であるとの意見を展開して来ました。事務の共同実施が平成10年の中央教育審議会答申で提言され,実施されてほぼ10年が経過し、さまざまな実践が進められていく中で、さらなる学校事務の有効な組織化には、定数増と事務長の設置が必要と考えます。
 事務長の設置につきましては、今年3月の中央教育審議会答申「今後の教員給与の在り方について」で、小中学校における事務長の設置が,「大規模な学校や事務の共同実施組織」を対象に提言され,制度実現に向けて動き出しました。
 そして今、もう一つの懸案である定数増が概算要求に取り上げられました。
 現状では、この概算要求を巡る状況は、総人件費抑制,「骨太方針2006」や行革推進法などが立塞がり、大変厳しいものがあります。
学校事務の組織化は、教育の質の向上にとって最も重要且つ確実な要素であるという認識のもと、「子どもの豊かな育ちを支援する学校事務」の一層の推進に向けて、学校事務の共同実施と事務長の設置を広く社会に理解を求めて、この定数改善を実現させたいと強く願っています。
 

会長あいさつ

会長あいさつ


全国公立小中学校事務職員研究会
会長 木村 信哉

すべては子どもたちのために,そしてすべてを子どもたちに


  このたび第11代会長を努めさせていただくことになりました。身に余る重責ではありますが、先輩たちの39年の歴史と成果に心よりの敬意を表し、小さいながらも新たな一歩を踏み出す所存です。

 去る7月25日から3日間、愛知県において第39回全国研究大会を「ネットワーク社会における学校経営と学校事務」を特集テーマとして開催いたしました。全国から4000名近くの参加者を得て、多くの成果を挙げ成功裡に終えることができました。ご尽力をいただきました大会実行委員会の皆様には誠にありがとうございました。また、文部科学省、愛知県教育委員会を始めとします、関係機関のご協力ご支援にお礼を申し上げます。愛知大会の参加者一人ひとりが、この大会で得た研究・研修の種を全国各地で開花させ、学校で「子どもの豊かな育ちを支援する学校事務」の実践として結実することを期待しております。


 愛知大会前日に開催されました平成19年度定期総会におきましては、18年度の事業報告並びに別掲の19年度事業計画が承認されました。また、新らしく山形支部が誕生をいたしました。名実ともに学校事務職員にとって唯一の職能集団として、今後ともますます全国的な視野で理論追求と現場実践の活動を進めてまいりますのでよろしくお願いいたします。

 今年度、本会は創立40周年を迎えます。これまでの成果を改めて評価し、今後の更なる飛躍に向けて40周年記念事業を実施いたします。記念行事としましては、2月に記念セミナー、8月に記念大会(福島大会)を開催いたします。また、40年の足跡を残すとともに、未来に向けて新たな事務職員像を展望するための指針となるよう記念誌を発行いたします。さらに、これからの学校事務の在り方、事務職員の制度的な将来展望をしていく上で必要不可欠となる、中・長期的な学校事務の全体像を描く「学校事務のグランドデザイン」を策定いたします。

 また、昨年度より文部科学省の委託を受け、「新しい時代の学校財務のあり方」に関する調査研究に取り組んでいます。昨年度は、全国の義務制諸学校と市区町村教育委員会を対象に学校財務調査を実施いたしました。我が国初の本格的な学校財務に関する悉皆調査となり、学校財務の状況が明らかになってきました。さらに、意識調査や現地調査などを重ねながら、学校財務制度と校内財務システムの研究を進めるとともに、学校財務マネジメント能力開発に取り組んでいます。

 さて、教育基本法が昨年度改正され、今年は学校教育法等教育改革関連三法が改正され、教育振興基本計画策定が予定されるなど、新たな教育改革の具体的な取組みが始まろうとしています。

 事務職員制度もまた大きな転換点にあると言えます。平成10年の中央教育審議会答申で、学校の自主性・自律性の確立の観点から、事務の共同実施が提言されてほぼ10年が経過しました。今年3月には、同審議会答申「今後の教員給与の在り方について」で「大規模な学校や事務の共同実施組織に事務長を置くことができるように制度の整備を行うなど、事務処理体制の充実を図っていくことが必要である。」と一歩踏み込んだ提言が行われ、長年の懸案であった小中学校における事務長の設置の制度実現に向けて動き出しました。同時に、教員が担っている事務を効率化し事務職員に移行していこうという動きもあります。事務職員の職務は、旧態依然として学校事務に従事するだけなのか、あるいは、学校事務を組織化し、事務を総括し掌理する職務として規定されていくのか、私たちはかつてない重大な岐路に今立っています。この現状と背景を十分に認識し,これまで実践を重ね論議を尽くしてきた学校事務改革の議論に、本会としての一定の結論を得たいと考えています。今まさに機は熟しているのです。

 「事務長制」にせよ「事務の共同実施」にせよ、目的はより質の高い教育であり、「子どもの豊かな育ちを支援する学校事務」の実践です。学校事務のすべては子どもたちのためであり、学校事務のすべてを子供たちにそそぐ、その覚悟と気概をもって総力を挙げて活動を進めてまいります。