ごあいさつ
日頃より全事研活動に対しまして、御支援・御協力をいただき、誠にありがとうございます。8月8日の総会で御承認いただき、引き続き会長を務めさせていただくこととなりました。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。
まず、全事研Webでも報告させていただきましたが、8月5日に「教育関係23団体からの緊急アピール文部科学大臣手交」を行ってまいりました。文部科学省のホームページにも掲載されておりますので、アピール文も含めまして、御確認いただければと思います。このアピール文は、5月に中央教育審議会の特別部会でとりまとめられた「審議のまとめ」でも示されている変革の推進と、そのための教育予算の拡充を要望するものです。審議のまとめでは、学校のマネジメント機能を高めるために事務職員の専門性の発揮や校務運営参画の期待について明示されており、さらにその環境整備に向け共同学校事務室への加配など事務職員の配置の充実についても明示されています。大変大きなことと思われますので、本会としてもこの機会を逃さずに働きかけを行っていきます。
さて、令和5年度の定期総会において第4期学校事務のグランドデザインを示すとともに、これまでの活動を大切にしつつも、研究会活動が持続可能なものとなるように本会の改善の方向性を整理した「ブルーバードプラン」を示させていただきました。そこにはオンライン会議等も活用し、旅費を削減し、役員の負担軽減も図るといった本部活動の改善に特に注力し、変革していくことを宣言いたしました。
それらを概略化するなら、「内からの変革と、外からの変革」ということです。まず、「内からの変革」とは事務職員自身が変わっていくための取組です。全事研セミナーや全国大会などによる研修機能に加えて、全国の事務職員の実践事例を事務職員自身が読んだり書いたりすることによる新たな気付きの提供や視野の広がりを促す機能が思いつくところかと思います。でも、そこに留まるものではありません。広く学びと成長の機会を提供していきたいと思っています。そして、それらの取組を通して、事務職員一人一人のつかさどる職としての行動につなげていくことや、さらに高みを目指した実践につなげていくことで、子どもの豊かな育ちを支援していくということを考えています。
また、「外からの変革」とは、例えばアドバイザリーボードのように、事務職員自身ではなく取り巻く人や組織に働きかけ、事務職員に対する理解を促進することで、期待と要求を促す取組です。事務職員に対する期待と要求が現場に生まれることと、事務職員自身の資質・能力とやりがいがあれば、必ずや子どもの豊かな育ちは実現されるものと考えます。
このように内からの変革と、外からの変革を進めているところです。そして、 変革を進めるなかで、意識していることがあります。それは学び続けることの重要性です。皆さんの実践事例を価値付けするためには、当然に自らの実践と向き合い振り返る必要があります。また、実践の価値を言語化していくためには、今までにない知識も必要になります。そして、アドバイザリーボードを運営していくためには、教育行政についての知識と理解がもちろん必要になります。その上で、参画してくださる方々が、どのようなことを話題としていて、課題と感じられているかについての理解も必要となります。そのためには、常に知識をインプットし、アウトプットして振り返るといった学び続けることが重要です。
このように本会の本部活動は、業務を処理することに留まらず、そのなかで学び続けることを意識しています。理事においては、本部活動を通して、さらに成長して支部に還元できるように活動のマネジメントを行っております。支部役員の皆様におかれましては、さらなる理事の派遣の検討もお願いするとともに、会員の皆様におかれましても、興味をもたれた場合には、支部内において手を挙げていただければと思います。
本年度も子どもの豊かな育ちの実現に向けて邁進してまいりますので、引き続き、御支援・御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
令和6年8月10日
全国公立小中学校事務職員研究会 会長 前田雄仁